人事異動は組織を壊すのか?育てるのか?#1
こんにちは、山本です。
春は出会いと別れの季節。そして企業にとっては“組織の再編”が動き出すタイミングでもあります。
人事異動、部署変更、新しい上司や部下との関係――変化が一気に押し寄せるこの時期、現場では何が起こっているのでしょうか?
今シリーズでは、人事異動の裏側に潜む“組織の本質”に迫りながら、経営者としてどう関わるべきかをお伝えしていきます。
【シリーズ#1】
人事異動で現場が乱れる理由とは?“変化の痛み”を経営者はどう捉えるか
人事異動があるたびに、「現場がうまく回らなくなる…」という声を聞きます。
「誰がどこに異動した」よりも、“その変化が現場にどう影響を与えるか”に意識を向けている経営者は、意外と少ないのではないでしょうか。
実際、異動のたびに起きているのは、“関係性のリセット”という見えないダメージです。
■変化には“揺れ”がつきもの
異動は、新しい風を吹かせたり、組織に刺激を与える目的で行われることも多いですが、
現場からすると「慣れた関係性が壊される」という喪失体験でもあります。
• 気心知れた上司がいなくなる
• 部署内のバランスが崩れる
• 雰囲気がガラッと変わる
これらの変化は、誰にとってもストレスになります。
しかも、この“揺れ”は目に見えにくく、数字にも表れにくいため、つい軽視されがち。
■“関係性の空白期間”に注意
異動後に生まれるのが、“よそよそしい空気”。
「まだ相手がどんな人か分からない」
「この人にはどこまで本音を言っていいんだろう」
そんな状態が長く続くと、表面的な関係性だけで仕事を進める組織になってしまいます。
こうなると、
・ホンネが出ない
・責任のなすり合いが起きる
・チームの信頼感が弱まる
という状態に陥りやすくなります。
■経営者は“変化の痛み”に向き合えるか?
組織にとって異動は必要な戦略かもしれませんが、「人にとっては“揺れ”である」という視点を持てるかどうかが、
会社全体の文化を決める大きな分岐点になります。
経営者がすべきなのは、
単に人を配置することではなく、「関係性の再構築に意識を向けること」。
この視点があるだけで、現場の空気は大きく変わります。
次回は、「異動したての管理職が陥りやすい“距離感ミス”とは?」をテーマにお届けします!
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